研究課題
BSCCOテープおよびReBCOテープ線材について液体窒素温度で引張応力下において臨界電流測定を行った。とくに応力の負荷、除荷による臨界電流の可逆性から不可逆性が始まる不可逆歪(Airr)と応力(Rirr)及び臨界電流が99%までに減少したときの歪(A99%)と応力(R99%)を求めた。これより弾性領域における臨界電流の歪依存性Ic(A)を定量化するとともに、不可逆歪と耐力の相関を考察した。平成19年度に製作した光学式熱膨張係数測定装置用いて熱膨張係数を測定した。これらをふまえ機械-電磁物性の実験から作製条件の異なるBSCCO線材およびBeBCOテープ線材におけるforce free strainと臨界電流の歪依存性の関連を解明した。JAEA東海研究所に設置した中性子残留歪測定装置で5Kから77Kにおける超伝導層中の残留歪を直接測定した。この実測値を基礎に歪の臨界電流への影響を考察するより改良されたモデルを構築した。これにより材料の段階から工業的臨界電流密度、臨界電流の耐歪依存性、機械的特性等を任意に精度よく推定できるようになった。これより材料メーカーに臨界電流の劣化の少ない、より高い臨界電流をもつ、かつ高強度な材料にはどのような線材の複合構造であれば良いか提案する方法論を明らかにした。これらの研究成果を5編の学術論文として、また6回にわたり学術講演会で公表した。
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