研究課題/領域番号 |
19360290
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
境 誠司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (10354929)
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研究分担者 |
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20250813)
馬場 祐治 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (90360403)
AVRAMOV Pavel 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, リサーチフェロー (00414582)
松本 吉弘 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (80455287)
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キーワード | フフーレン / 遷移金属 / 有機分子 / スピントロニクス / トンネル磁気抵抗効果 / 磁気抵抗効果 / トンネル効果 / スピン注入 |
研究概要 |
グラニュラーC_<60>-Co薄膜のトンネル磁気抵抗効果について、単純なスピン分極率の効果で説明できる磁気抵抗率の上限(50%)を超える巨大効果が発現する組成領域を特定した。同組成範囲に於ける低電圧領域での磁気抵抗効果とCoナノ粒子の分散状態の関連について、Co濃度の減少に伴いCoナノ粒子の粒子径が減少し、粒子間隔(Coナノ粒子間を隔てるC_<60>-Co化合物層厚)が拡大すると、磁気抵抗率が増大することが分かった。実験的に観測された磁気抵抗率の大きさは最大で90%(電気抵抗の最大値で規格化する定義による)に達した。さらに、同領域で、磁気抵抗率は、Coナノ粒子間に掛かる平均電圧に対して指数関数的依存性を示し、指数関数則に於ける減衰定数と帯電エネルギーの大きさは、試料によらず良い一致を示すことが明らかになった。これらの結果から、低Co濃度・低電圧条件下で、100%に近い極限的大きさの磁気抵抗効果が得られる可能性が示唆された。積層膜などによるスピン輸送素子を実現するための基礎的追究として行った、C_<60>-Co層及びC60層中へのCo原子の拡散性のX線光電子分光法による評価では、特にC_<60>-Co化合物層に於ける拡散の抑制(Co原子の拡散距離<2nm)が確認された。その他、光照射を行いながらC_<60>薄膜を蒸着すると高規則度のC_<60>ポリマー結晶が成長することを見いだした。
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