研究課題
非鉛系圧電材料の分野で、現在もっとも強く求められている圧電歪み定数が大きく(d_<33>が300pC/N以上)、かつ、動作温度範囲の広い(脱分極温度T_dが200〓以上)非鉛圧電アクチュエータを新しく開発することを目的とした。本年度取り組んだ項目を具体的に述べる。(1)(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3(BNT)系の脱分極温度T_dを高める目的で、BNT系3成分固溶体セラミックスx(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3-y(Bi_<1/2>Li_<1/2>)TiO_3-z(Bi_<1/2>K_<1/2>)TiO_3[BNLKT100y-100z]を作製し、その相転移温度と電気的諸特性との関係について詳細に調査した。その結果、菱面晶組成であるBNLKT4-8で、T_d=221℃まで高温化し、高温でも圧電性の劣化が少なく、安定していることがわかった。さらに、この組成にMnを添加すると、T_dは若干低下するが、機械的品質係数Qmは720まで増加した。(2)高密度KNbO_3(KN)系強誘電体セラミックスを作製し、圧電的諸特性やその温度特性を詳細に調査した。無添加KNセラミックスで、抵抗率ρは室温で10^<13>Ω・cm以上の高い抵抗率が得られた。(33)モードのインピーダンス周波数特性(位相最大値θ_<max>=87.2°)から、十分に分極処理が施されているがわかり、その電気機械結合係数k_<33>=0.49、Q_m=325、d_<33>=91.7pC/Nという良好な結果を得た。また、Mnを添加したKN-Bi0.3Mn0.4ではd_<33>は109pC/Nと無添加より20%程度高い値が得られた。Bi_2O_3の添加により自由誘電率が大きくなったことがd_<33>の向上につながったと考えられる。MnCO_3やBi_2O_3などの微量添加は、KNセラミックスの高い圧電性を維持したまま、プロセスウィンドゥの広域化(易焼結化)を可能とした。さらに、Mnを添加したKN-Mn0.8の(15)モードではk_<15>=0.52、d_<15>=260pC/N、およびQ_m=278が得られ、KN系セラミックスは(15)モードが圧電応用に対して有利であることがわかった。
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