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2008 年度 実績報告書

逆ペロフスカイト型マンガン窒化物を用いたゼロ膨張セラミック材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19360304
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹中 康司  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60283454)

キーワードゼロ膨張材料 / 低膨張材料 / 負膨張 / 熱膨張制御 / セラミック / 逆ペロフスカイト / インバー / 単一物質
研究概要

産業技術の高度な発達に伴い、多くの産業分野で、熱膨張抑制に対する強い要請がある。本基盤研究では、ガラス系ゼロ膨張複合材料を中心とした従来材料では難しかった、精密加工など力学的負荷の大きなプロセス分野での利用をも可能にする高強度の汎用ゼロ膨張セラミック材料の開発を目指し、構成元素の種類やその比率の調整により熱膨張特性が自在に制御できる逆ペロフスカイト型マンガン窒化物を用いて、1)歪みや欠陥が入りにくく機能が安定する、2)作製プロセスが簡素で製造コストが低く抑えられる、という点で理想的な「単一物質ゼロ膨張セラミック材料」の開発に取り組む。平成20年度では、単一物質でゼロ膨張を示す、低コストのマンガン窒化物実用組成開発を達成し、窒素含有量が減るとともに低膨張化することを明らかにした。また、中性子回折実験により、Ge置換による体積変化の緩慢化が、Ge置換により誘起される局所構造歪みと密接に関連していることを突き止めた。さらに、逆ペロフスカイト型マンガン窒化物の一連の研究のなかで、Mn_3CuNが最大2000ppmに達する巨大磁歪を発現することを発見し、新しい機能材料創成への萌芽を得た。現在は、典型的な負熱膨張組成であるMn_3(Cu, Ge)NやMn_3(Cu, Sn)Nについて、ヤング率やビッカース硬度、曲げ強度など、セラミック材料としての基本的な機械特性評価を進めており、既に予備的な結果を得ている。機械特性評価は、ゼロ膨張組成も含め、来年度中に完了できると考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Zero Thermal Expansion in a Pure-Form Antiperovskite Manganese Nitride2009

    • 著者名/発表者名
      K. Takenaka, H. Takagi
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 94

      ページ: 131904-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 逆ペロプスガイド型マンガン窒化物Mn_3CuNの磁歪2009

    • 著者名/発表者名
      竹中康司, 浅野和子
    • 雑誌名

      まてりあ 48

      ページ: 105-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetostriction in Mn_3CuN2008

    • 著者名/発表者名
      K. Asano, 他2名
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 92

      ページ: 161909-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Local Lattice Distortion in Giant Negative Thermal Expansion Material Mn_3Cu_<1-x>Ge_xN2008

    • 著者名/発表者名
      S. Iikubo, 他5名
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 101

      ページ: 205901-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 逆ペロプスガイド型マンガン窒化物の窒素欠損効果2009

    • 著者名/発表者名
      竹中康司, 浅野和子, 小澤篤
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-28
  • [図書] レアメタルの代替材料とリサイクル : 3d遷移金属系材料の機能発現による元素代替2008

    • 著者名/発表者名
      藤田麻哉, 他4名
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      シーェムシー出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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