研究課題/領域番号 |
19360317
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 賢治 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30336002)
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研究分担者 |
堀田 善治 九州大学, 工学研究院, 教授 (20173643)
中島 邦彦 九州大学, 工学研究院, 教授 (10207764)
齊藤 敬高 九州大学, 工学研究院, 講師 (80432855)
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キーワード | 透過型電子顕微鏡 / 3次元電子線トモグラフィ / 実用材料 |
研究概要 |
電子線を試料に照射した場合、入射電子の多くは試料厚みに応じて吸収され、透過する電子の数が減少し暗く映る(吸収・厚みコントラスト)ことが知られている。多くの非晶質試料の場合、傾斜角度と連続傾斜像のコントラストが一義的であり再構築像を得ることは用意である。しかし、結晶質材料の場合は、傾斜角度によって電子回折現象が生じ、密度、厚みや分子量の変化とは無関係な回折コントラストが発生してしまい、3次元の再構築を行うのが困難である。 今年度は回折コントラストの影響が少ない2次元TEM観察法(高角環状暗視野(HAADF)法と3次元電子線トモグラフィ(3D-ET)法を組み合わせることにより、共晶系合金として知られるアルミニウム合金(Al-Ge)の3次元観察を行い、析出物の形状やその分散状態、添加元素等の分布状態の3次元解析を行った。この結果、サイズの異なる棒状や三角板状の様々なサイズや形状の析出物が混在して存在することを明らかにした。 また、ケンブリッジ大学と共同研究を行い、シリコン中における欠陥を同様の手法を用いることで、3次元的に可視化することに成功した。従来、欠陥等では弱ビーム暗視野法を用い意図的に回折コントラストを用いて欠陥の連続傾斜像を取得し再構築を行っていたが、HAADF法を用い連続傾斜像を取得することにより、より簡便に再構築像を取得することが可能であることを明らかにした。
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