研究課題/領域番号 |
19360320
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
御手洗 容子 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, グループリーダー (10343881)
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研究分担者 |
原 徹 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主任研究員 (70238161)
平 徳海 独立行政法人物質・材料研究機構, 超耐熱材料センター, 主任研究員 (80354207)
西田 稔 九州大学, 大学院・総合理学工学研究院・融合創造理工学部門, 教授 (90183540)
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キーワード | 構造・機能材料 / インテリジェント材料 / 形状記憶合金 |
研究概要 |
作年度TiPtが変態点温度以下で応力を負荷後除荷することにより、変形が回復する擬弾性効果が現れることを見いだした。室温試験においては、歪みゲージを試験片に接着させることにより、歪みを正確に測定することができ、確かに擬弾性効果があることが明らかになったが、1000℃近い高温試験では歪みを正確に測定することが困難であることから、今年度は、高温試験においても歪みをより正確に取得するため、CCDカメラで試験片を直接観察する高温試験法を検討し、確立した。次年度、この手法を用いて、高温試験を行い、より正確な実験を行うことにより、高温での擬弾性効果について詳細な検討を行うことが可能となった。 室温で擬弾性効果を示した試料について、応力負荷-除荷試験の回数による組織変化について検討した。生成する双晶の種類は熱処理により生成する双晶と変わらないが、応力負荷-除荷の回数により、安定なヴァリアントのみが成長し、微細な双晶組織が、安定なヴァリアントで形成される粗大な組織となることが明らかとなった。一般に擬弾性は、応力負荷時に応力方向に対して安定な双晶のヴァリアントが生成することにより現れると言われているが、TiPtにおいても、安定なヴァリアントの生成が促進されることが明らかとなった。 TiPtは変態温度以上でB2構造を示すことがわかっているが、三元系化合物のTi(Pt,Ir)は、変態点温度以上での構造は不明である。高温での結晶構造を明らかにするために今年度は高温X線装置を導入し、高温で酸化を防ぎながら測定する実験方法を確立した。手始めに構造が明らかであるTiPtの測定を行い、1000℃以上でB2構造のピークを取得できることを確認した。
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