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2009 年度 実績報告書

超高温における形状記憶効果の発現メカニズム解明による特性向上

研究課題

研究課題/領域番号 19360320
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

御手洗 容子  独立行政法人物質・材料研究機構, 環境・エネルギー材料萌芽ラボ, グループリーダー (10343881)

研究分担者 原 徹  独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主幹研究員 (70238161)
平 徳海  独立行政法人物質・材料研究機構, 超耐熱材料センター, 主任研究員 (80354207)
キーワード構造・機能材料 / インテリジェント材料 / 形状記憶合金
研究概要

室温および850℃にて圧縮変形を行い、その後、マルテンサイト変態点以上に加熱することにより、残留歪みがどれだけ回復するか(形状記憶効果)を調べた。その結果、室温変形では最大0.6%の回復歪み、850℃変形では最大2%の回復歪みを示した。大きな回復を示したのは、Ti-12.5Pt-37.5IrとTi-25Pt-25Irであった。これは、これまでに見いだされてきたRuNbなどの高温形状記憶合金に匹敵する回復歪みであり、Ti(Pt,Ir)が高温形状記憶合金として有望であることを示している。
高温X線装置を用いた実験により、Ti(Pt,Ir)の1300℃まで結晶構造を明らかにした。その結果、マルテンサイト変態温度以上ではどの組成でも、TiPtと同様にB2構想であることが明らかとなった。また、マルテンサイト変態以下のB19構造の温度に対する格子定数変化を明らかにし、B2→B19変態による体積歪みを計算した。TiPtは体積歪みが2.5%となり、通常使われるTiNiより大きいことがわかった。そのため、変態中に不可逆な歪みが導入され、形状記憶効果が小さくなることが明らかとなった。Irを添加することによって体積歪みが小さくなり、形状記憶効果が大きくなった。また、体積歪みが大きく、変態によって転位が導入されやすいTiPtでは他の合金よりも大きな擬弾性を示したため、擬弾性を起こすためにはある量の転位の導入が必要であることが示された。以上の結果により、変態による体積歪みが形状記憶効果と深い関係があることが明らかとなった。
この結果から、適切な体積歪みを示す組成を見いだすことによって、高温形状記憶合金として大きな歪み回復が可能な合金設計が可能であることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Microstructural evolution and ductility improvement of a Ti-30Nb alloy with Pd addition2009

    • 著者名/発表者名
      C.Y.Cui, D.H.Ping
    • 雑誌名

      J.Alloys Compounds 471

      ページ: 248-252

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Shape memory effect and pseudoelasticity of TiPt

    • 著者名/発表者名
      Y.Yamabe-Mitarai, T.Hara, S.Miura, H.Hosoda
    • 雑誌名

      Intermetallis, submitted (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] TiPtIrの擬弾性効果と形状記憶特性2010

    • 著者名/発表者名
      御手洗容子、原徹、三浦誠司、細田秀樹
    • 学会等名
      日本金属学会 春期大会
    • 発表場所
      筑波大学(つくば市)
    • 年月日
      2010-03-30
  • [学会発表] Martensitic twinning in Ni-free beta-byoe Ti shape memory alloys2009

    • 著者名/発表者名
      D.H.Ping
    • 学会等名
      2nd International Conference on Smart Materials and Nanotechnology in Engineering
    • 発表場所
      ハルビン工科大学、Weihai, China
    • 年月日
      20090708-20090711
  • [学会発表] Mechanical Properties of High-Temperature Shape Memory Alloys, Ti(Pt, Ir)2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Yamabe-Mitarai, T.Hara, S.Miura, H.Hosoda
    • 学会等名
      Thermec 2009
    • 発表場所
      マリティムホテル、ベルリン、ドイツ
    • 年月日
      2009-08-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.nims.go.jp/units/pgm/pgm2.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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