研究概要 |
1.熱プラズマ合成ナノ粒子の機能化 ・5価のNbと3価のEuを共ドープしたTiO_2ナノ粒子を合成した。Nbの共存によりEuドープTiO_2の相選択性がルチルからアナターゼに変化した。Eu単独ドープナノ粒子同様、約617nmに鋭いピークをもつ赤色発光が観測された。また、この発光は、主として、TiO_2ホストに吸収されたエネルギーがEuに移動するメカニズムによることを確認した。 ・BaTiO_3-SrTiO_3系全領域で、不純物相を含まない高結晶性固溶体ナノ粒子を一段プロセスで合成した。3つの金属元素を含む固溶系の化学組成の精密制御を図るため、液体プリカーサーの熱プラズマ中の噴霧熱分解法を用いた。比表面積測定から求めた粒径と、画像解析によりもとめた一次粒子径を比較して、本熱プラズマ法によるナノ粒子は、高結晶性とともに、固結凝集の少ない易分散性ナノ粒子であることがわかった。 2.ナノ粒子の分散制御 ・超音波照射により、液中クラスターサイズが1次粒子径に近いナノ粒子の高度分散手法を開発した。数種類の分子量を有する分散剤を添加して、酸化チタンナノ粒子サスペンジョンを作製し、サスペンジョン安定性および沈降物からサスペンジョンへの再生、再分散性を比較した。ボールミル混合で作成したサスペンジョンに比較して、超音波照射する手法で作製したサスペンジョンは,水中分散安定性に優れ、たとえ沈降したとしても、容易に再分散させることが可能であることが分かった。
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