研究課題
本研究の目的は、超熱分子ビームによる次世代ナノファブリケーションの実空間"その場"観察の実現である。平成19年度においては、(i)超熱分子ビーム精密照射システムの開発、(ii)超熱分子ビームによるナノファブリケーションの実空間"その場"観察システムの開発を中心に行った。10^<-8>Pa以下の超高真空において液体He温度から1200℃程度まで温度制御ができ、1mm以下の領域に放射光および超熱分子ビームを精度良く位置合わせ可能な精密照射システムを開発した。2000℃以上の高融点金属材料の加熱処理を可能とするために電子ビームによる過熱機能もシステムに付加することができた。実空間観察のシステムは、信号系ノイズ対策としてフィルターを導入することにより鮮明な画像を得る機能を付加すると伴に、探針の製作、評価法を確立することに成功した。さらに、システムの開発と平行して具体的な実空間観察の対象として(i)Si(111)-7x7表面、旨(ii)Ge(001)-2x1表面の酸素吸着過程における酸素分子の並進運動エネルギーの効果を放射光リアルタイム光電子分光によって調べ、吸着量および吸着状態の時間変化というプローブ顕微鏡では得ることのできない相補的な情報を得ることに成功した。超熱分子線による並進運動エネルギーによって化学結合状態および膜厚を原子層レベルで制御でき、通常のガス吸着とは異なる化学反応を誘起できることを明らかにした。これらの研究成果の多くは、既にいくつかの学会において報告しており、現在、順次論文発表するために投稿準備中である。
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Applied Surface Science (印刷中)
Japanese Journal Applied Physics Vol46,No.4B
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