研究概要 |
市販の金属Zr(公称純度99.8%)、Hf(約98%)を原料に、Ar〜20%H_2+Arプラズマ溶解を行い、不純物の蒸発除去によるZr,Hfの高純度化を図った。Arプラズマでも若干の不純物低減は認められたが、(%H_2)の増加により顕著な不純物の減少が確認され、Zrの場合、20%H_2溶解時間60分で、例えばFeは342→1〜3、A1は61→1ppmにまで減じられた。Hfの場合も同様な条件で、Fe:530→<5、A1:270→<1、Ti:31→〈10ppmにまで減じた。ただし、Zr中のHf、Hf中のZrの蒸発除去は予想通り不可能であった。以上の結果、純度的(0,N,Cを除く)には、Zrは99.99%以上(Hfは除く)、Hfは99.998%以上(Zrは除く)の高純度品が、単一溶解工程で得られ、水素プラズマ溶解がZr,Hfの高純度精製法として有用なことが明らかにされた。 他方、市販金属La,Ce(公称純度.99.9%、実質純度約99%)ロッドを原料に、Arプラズマを熱源とした帯溶融精製を検討した。安定した溶融帯が形成され、予想通りFe,Cu,Al,Si等金属不純物は終端側に濃縮分離され、特にLaで良好な偏析分離結果が得られた。例えば、パス20回後の始端側で、Fe:160→0.1、Cu:360→0.4など、顕著に低減した。また、蒸気圧が高いCa,Mg,Zn等は迅速に蒸発除去され、1ppm以下に減少した。一方、非金属不純物は、Ceの場合、0,C,N,S何れも始端側に偏析(k>1)し、Laの場合0,Nは始端側(k>1)、C,Sは終端側(k〈1)に偏析した。また、0,C,N,Sは何れもロッド全体での低減が観察された。以上の結果、始端側でCeは約99.8%以上、Laは約99.9%に高純度化された。
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