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2008 年度 実績報告書

電解法による金属高純度化における直鎖状高分子化合物の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 19360345
研究機関九州大学

研究代表者

福島 久哲  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50038113)

研究分担者 中野 博昭  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70325504)
大上 悟  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90264085)
キーワード亜鉛 / 電解 / PEG / 再溶解 / 不純物 / 分子量 / 陰極電位 / 分極曲線
研究概要

Zn電解採取のような高硫酸濃度浴からのZn電析は,臨界電流密度において陰極がそれまでの水素析出電位域からZnの平衡電位まで不連続に分極することによって開始し,臨界電流密度以上の操業電流密度においては小さな電析過電圧を伴いながら高い電流効率で進行する。ところが浴中への不純物の混入により臨界電流密度が上昇し,操業電流密度を超えると,電析Znが水素析出を伴いながら溶解する。この再溶解はZn電析の電流効率の著しい低下をもたらす。一方,陰極表面を平滑にすると同時に不純物の共析を抑制するため,Zn電解採取浴には,天然由来の高分子化合物であるニカワが添加されている。高分子添加剤は陰極電位を分極させる効果があるため,不純物の混入による電析Znの再溶解を抑制することが期待されるが,添加剤の効果は不純物の種類に応じて異なることも予想される。そこで,不純物を含有したZn電解採取浴における電析Znの再溶解挙動に及ぼすPEG添加の影響を,陰極電位の経時変化,部分分極曲線により調べた。Znの再溶解に及ぼすPEGの影響は,共存する不純物の種類により異なった。不純物としてI群のCu含む浴では,PEGを添加した方が電析Znの再溶解が起こり易くなった。PEGはZnの析出を抑制するが,拡散限界で析出しているCuに対しては影響を及ぼさないため,PEG添加により電析物のCu含有率が高くなり,陰極の水素過電圧が低下したためと考えられる。不純物としてII群のNi,Coを含む浴では,PEGを添加すると水素の析出反応が抑制され,Znの再溶解が生じ難くなった。III群のSbを含む浴では,陰極電位が復極し,電流効率が大きく低下したが,PEGを添加すると電位が分極し電流効率も増加した。Zn電析の再溶解,電位の復極に対するII,III群の不純物の悪影響は,PEGの分子量,添加量が多くなるほど緩和された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 銅の電解精製におけるチオ尿素添加の影響2009

    • 著者名/発表者名
      久保山宏, et al.
    • 雑誌名

      Journal of MMIJ 125

      ページ: 62-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 亜鉛電解採取における高分子添加剤の経時劣化2008

    • 著者名/発表者名
      中野博昭, et al.
    • 雑誌名

      Journal of MMIJ 124

      ページ: 583-588

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 銅電解精製における高分子添加剤の経時劣化の評価2008

    • 著者名/発表者名
      中野博昭, et al.
    • 雑誌名

      Journal of MMIJ 124

      ページ: 626-631

    • 査読あり
  • [学会発表] 亜鉛電解採取における直鎖状高分子添加剤の経時劣化挙動2008

    • 著者名/発表者名
      成清久純
    • 学会等名
      資源・素材学会
    • 発表場所
      仙台・国際センター
    • 年月日
      2008-10-07

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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