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2009 年度 実績報告書

電解法による金属高純度化における直鎖状高分子化合物の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 19360345
研究機関九州大学

研究代表者

福島 久哲  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50038113)

研究分担者 中野 博昭  九州大学, 工学研究院, 教授 (70325504)
大上 悟  九州大学, 工学研究院, 助教 (90264085)
キーワード銅 / 電解 / PEG / 分極 / 塩化物イオン / 高分子添加剤 / 交流インピーダンス / 吸着中間体
研究概要

Zn,Cu,Pb製錬の電解工程においては,陰極表面を平滑にすると同時に不純物の共析を抑制するため,電解液にニカワ,大豆粕など天然由来の各種高分子化合物が添加されている。電解液に高分子化合物を添加すると陰極電位が分極され,電析物の結晶粒が小さくなる。一方,Cuの電解精製液には,陽極からのスライムの形成を容易にするためCl^-が添加されている。電解液中に高分子化合物が単独で存在する場合に比べ,Cl^-が共存するとCuの電析電位はより大きく分極することがポリエチレングリコール(PEG)を用いた研究により報告されている。しかし,Cu電析に及ぼす高分子添加剤とCl^-の相乗効果については不明な点が多い。そこで,ニカワを精製して得られるゼラチンおよびPEGを用いて,Cu電析に及ぼすCl^-との相乗効果を調べた。Cuの電解精製における高分子添加剤とCl^-の相乗効果を陰極電位により評価し,回転リング・ディスク電極法,交流インピーダンス法により,相乗効果が生じる際のCuの電析反応を調べた。高分子添加剤を含まない溶液においてもCl^-が存在するとCuの電析電位が卑に分極し,電析Cuの結晶粒が若干小さくなった。回転リング・ディスク電極法により,微量のCl^-を含む溶液からのCu電析は,Cu^+の吸着中間体CuCl_<ad>を経由して進行することが予想された。このCuCl_<ad>を経由することによりCu電析が分極したと考えられる。ゼラチンまたはPEGとCl^-が共存するとCuの電析電位は更に分極し,電析Cuの結晶粒は微細化しており,明らかに高分子添加剤とCl^-の相乗効果が認められた。高分子添加剤は,Cu^+の吸着中間体CuCl_<ad>から金属Cuへの還元反応を抑制することが交流インピーダンス法より推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Synergistic effect of Polymer additives and Chloride Ions and the degradation of Polymer Additives in. Copper Electrorefining2009

    • 著者名/発表者名
      中野博昭
    • 学会等名
      Third International Conference on Processing Materials for Properties
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2009-09-07
  • [学会発表] Degradation of Polymer Additives during Long-Term Zn Electrowinning2009

    • 著者名/発表者名
      中野博昭
    • 学会等名
      European Metallurgical Conference 2009
    • 発表場所
      インスブルック国際センター(オーストリア)
    • 年月日
      2009-07-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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