研究概要 |
X線散乱法に組み合わせるための静電場レビテーション装置を改良し、浮遊試料の位置や温度の安定性を向上させた。また、物性計測用の静電浮遊装置を新たに立ち上げ、位置制御系,温度計測系,真空系を準備した。なお、本補助金にてターボ分子ポンプ,測定試料の合成に使用するグローブボソクス,温度計測のための放射温度計を準備した。 これまでに測定したシリコンの静的構造因子S(Q)からMHNC近似などを用いて原子問有効二体ポテンシャルu(r)を決定した、そのポテンシャル関数を用いた計算機シミュレーション(分子動力学計算およびモンテカルロ計算)から実験の.体構造や融体物性などが良く再現できることを確認した。さらに液体内の三次元的な原子配置を調べた。 遷移金属元素のZr,Nb,Hfについて、過去に代表者らが測定した静的構造因子S(Q)リもとに同様の解析を行い、物性や構造の再現性を確認した。 粘性係数や表面張力については、本年度は実験装置の準備と予備的な測定の段階であり、次年度に測定を試みる。本研究の対象のひとつであるシリコンに類似した性質を示すゲルマニウムについて、液体状態の原子ダイナミクスを第一原理MDから調べ、フォノンの分散関係から原子ダイナミクスの特徴を議論した。
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