研究課題/領域番号 |
19360352
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
薄井 洋基 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20107725)
|
研究分担者 |
鈴木 洋 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90206524)
菰田 悦之 神戸大学, 工学研究科, 助教 (00397796)
|
キーワード | 固気サスペンジョン / 薄井モデル / 粒子間凝集エネルギー / 原子間力顕微鏡 / 粒子間力 |
研究概要 |
昨年度は、球形シリカ粒子を対象として原子間力顕微鏡を用いた固気系および固液系での粒子問力直接測定によりサスペンジョン粘度を良好に再現できることを明らかになった。そこで、本年度は非球形粒子である重質炭酸カルシウムを対象として、水中での粒子間力の直接測定を実施し、固液サスペンジョンの粘度を推算した。粒子間力は粒子径や粒子形状によって大きく変化するが、推算には平均凝集エネルギーを用いた。しかしながら、凝集エネルギーの実測値はモデル推算値よりも一桁以上小さく、結果としてサスペンジョン粘度を良好に推算することは困難であった。さらに、重質炭酸カルシウムおよびタルクを用いて空気輸送実験を行い、直管部における圧力損失から固気系サスペンジョンの粘度測定を試みた。高混相比ではサスペンジョンがバルクと見なせないので希薄な混相比で実験を実施した。同時に、通気粉体層の粘度測定も実施した。しかしながら、これら粒子濃度が極度に違う系における粘度を統一的に説明することもまた困難であった。 そこで、これまでに球形シリカ粒子では粒子間力の直接測定によりサスペンジョン粘度が良好に推算できた点に着目し、球形PMMA粒子を用いて同様の検討を実施した。微小なPMMAは高温では粒子間に付着力が生じ、サスペンジョン粘度が変化する。この結果、粒子間直接測定によりPMMA付着力の温度依存性を明確にでき、さらに、レオロジー特性を良好に推定できることがわかった。これらの結果は現時点では固液系に限定されており、今後固気系への展開が必要であると考えている。
|