研究課題/領域番号 |
19360360
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
外輪 健一郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (00336009)
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研究分担者 |
杉山 茂 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70175404)
加藤 雅裕 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80274257)
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キーワード | 非定常 / 温度周期操作 / 一酸化炭素 / 最適化 / 触媒反応 |
研究概要 |
一酸化炭素の酸化反応を例に取り、温度周期操作における温度や振幅、周期などの操作パラメータが反応率に与える影響を調査した。触媒としてはアルミナ担持白金触媒を用いた。定常操作および非定常操作における反応率の挙動を詳細に検討した結果、まず定常操作においては、操作温度を変化させると履歴現象を示すごとが明らかとなった。前年度に観察された周期操作による反応率向上の現象がこの履歴現象に起因する可能性が考えられたため、周期操作の中心温度の履歴が反応率に与える影響を調査した。その結果周期操作の中心温度と反応率も履歴現象を示すことが明らかとなった。さらに、履歴現象を考慮に入れた上で比較を行っても非定常操作は定常操作に比べて高い反応率を示すことが明らかとなった。以上の検討によって温度周期操作の採用によって触媒反応を制御できることが確認された。 温度周期操作が一層有利となる反応条件を明らかにするための検討を行った。この検討では、触媒表面への分子の吸脱着速度、および表面反応速度を考慮した計算を行った。反応速度の向上率が最大となる速度パラメータ値を検討したところ、原料の吸脱着速度が温度に強く依存する場合に温度周期操作が有利となりやすいことが明らかとなった。また、温度周期操作における温度と表面反応速度の関係を調査すると温度が低下した場合に反応速度が大きくなる様子が示唆された。これは、吸着速度の温度依存性が大きいために温度低下に伴って原料の吸着量が増大することが原因であることが明らかとなった。 本技術の展開としてプロパンの酸化脱水素反応に適用したところ、収率が向上する条件を見いだすことが出来た。各種の触媒反応における収率や反応率の制御に温度周期操作が広く活用できる可能性が示された。
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