研究課題/領域番号 |
19360366
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江口 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (00168775)
|
研究分担者 |
菊地 隆司 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40325486)
松井 敏明 京都大学, 工学研究科, 助教 (90378802)
|
キーワード | 水素ポンプ / 中温作動 / COシフト反応 / 無機酸素酸塩 / 水素製造 |
研究概要 |
200-300℃における水素製造-分離法を確立するために、CsH_2PO_4/SiP_2O_7複合体電解質の利用の可能性について検討した。200℃において電極にPt/Cを用い、アノード室に加湿H_2、カソード室に加湿Arを供給した。通電を行った際のカソード室でのH_2生成量、及びそれぞれの電極反応過電圧の評価を行った。電流密度1A cm^<-2>で通電した際のH_2生成量はファラデー則から予想される値と一致し、本材料が水素ポンプへ使用できることが示された。しかし、測定後の交流インピーダンススペクトルから、電極または電解質材料の劣化が確認された。この劣化は電流密度の増加に伴う過電圧の上昇に起因すると考えられる。従って、軽度の材料劣化はH_2生成量の低下を引き起こさないが、適切な電流密度範囲で使用することが重要である。カソードはアノードと比較して、低電流密度域でより高い過電圧、高電流密度域でより低い過電圧を示した。またカソード室に少量のH_2を供給した場合、カソード過電圧は大きく減少した。この結果、カソード過電圧は電極近傍と電極から離れた沖合の水素濃度差に大きく影響され、少量のH_2添加がカソード反応の促進に有効であることが明らかとなった。 アノード室に加湿COを直接供給した場合、カソード室におけるH_2生成量はファラデー則から予想される値と一致し、水素製造-分離が可能であった。しかし、アノード過電圧は非常に大きく、通電可能な電流密度が小さいことから、少量のH_2しか得られないことがわかった。更なる性能向上のためにアノード過電圧を減少させる手段が必要となることが示された。
|