研究概要 |
近年、DNA, RNA,タンパク質などの生体高分子の新たな機能を自然界から取り出してくるだけでなく、試験管内で0から作り出すあるいは自然に存在する分子を元に選りすぐれた分子に"進化"させる「進化分子工学」がめざましく発展しつつあり、抗体工学、タンパク質工学、RNA工学など様々な分野で応用されつつある。我々は無細胞の反応系のみで構築された、進化分子工学のためのシステム(ビーズディスプレイ)を開発し、新規タンパク質の創製に応用することを目的としている。本年度は以下の様な成果を上げている。1)マイクロチャネル乳化法を用いて均一なエマルジョンを作製し、エマルジョンPCRを行うことに成功した。2)DNAライブラリーをビーズ上に作製した。3)新規なビーズー蛋白質固定化方法を開発した。4)6アミノ酸からなるモデルペプチドに対し模擬ライブラリーを作製し、ビーズ上ヘディスプレイさせて、フローサイトメーターによるスクリーニングを行った。5)酵素ライブラリーをビーズ用に作製するために微生物リパーゼを対象として予備的ライブラリーを構築した。以上の成果より、DNAおよび蛋白質のマイクロビーズ上へのディスプレイシステムの基本技術を確立することができた。
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