研究課題/領域番号 |
19360383
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
湯浅 三郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60123147)
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研究分担者 |
櫻井 毅司 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10433179)
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キーワード | ウルトラマイクロガスタービン / 高負荷燃焼 / Flat-flame / プロパン / 超小型 / 燃焼器 |
研究概要 |
本年度は、プロパン燃料UMGT用高負荷極超小型燃焼器の開発研究の二年目にあたり、(1)微小容器内での高負荷燃焼の燃焼学的必然性の把握、(2)Flat-Flame型超小型燃焼器における触媒燃焼の有用性の評価、(3)実機型極超小型燃焼器の性能測定と改良を行い、以下の結果を得た。 (1)⇒燃焼器内滞在時間は燃焼器の大きさとは関係なく高負荷燃焼する場合に短くなり、燃焼負荷率と燃焼器内滞在時間との関係は、燃料の種類や燃焼器のタイプ、当量比の範囲に依らず、同一関係式で近似的に表せる。燃焼器からの熱損失割合は高負荷燃焼することによって低減できる。燃焼負荷率の上限値は、総括的な燃焼反応の特性時間に対応するが、最小値は燃焼器内火炎が消炎あるいは吹き飛ぶ限界によって決まる。 (2)⇒Flat-flame型試験燃焼器においてノズル側とインジェクター側に触媒を設置した場合、いずれも触媒の活性化は起こるが、インジェクター側が触媒反応すると気相燃焼が殆ど起こらず、燃焼効率は触媒を設置しない場合よりも低下した。ノズル側への設置では燃焼効率の増加が確認できた。触媒を設置しても火炎安定限界は殆ど変わらない。これらは触媒燃焼がFlat-flame型燃焼器の燃焼効率向上に有用であることを示している。 (3)⇒昨年度製作したUMGT本体別置型実機型セラミックス製高負荷超小型燃焼器(内径20mm・代表高さ4mm・再生冷却構造)を用いて、着火方法・火炎安定限界・燃焼効率・耐久性・熱損失について調べた。スパークプラグによって確実な着火が可能であり、試験燃焼器よりも高い燃焼効率が得られた。火炎安定限界は、試験燃焼器に比べて狭くなったものの空気流量に対する変化の傾向は変わらなかった。熱損失割合は、(1)の考察の通り、燃焼負荷率に逆比例することがこの燃焼器でも確認できた。耐久性では、燃焼器内壁のセラミックスが長時間燃焼実験後に割れてしまったため、燃焼器内構造及び材質を再検討し改良した。
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