研究課題/領域番号 |
19360388
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
川口 淳一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (10169691)
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研究分担者 |
曽根 理嗣 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (70373438)
羽生 宏人 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (60353421)
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キーワード | 燃料電池 / 統合型 / 推進機関 / 宇宙機 / 触媒 |
研究概要 |
推進系統合型燃料電池では凝固点の低い燃料および酸化剤を用いて燃料電池を動作させる。凝固点の低い液体の燃料・酸化剤を燃料電池に直接供給する場合、燃料・酸化剤に対する電解質膜の耐性、燃料・酸化剤の電解質膜透過による直接反応、ならびに燃料と酸化剤の蒸気圧の差による燃料電池電解質膜の破損などが問題となる。実験を安全に遂行するためにはこれらの特性を把握しておく必要があるため、燃料・酸化剤の候補の一例としてヒドラジン、四酸化二窒素を用いた場合における電解質膜耐性確認ならびに透過量の計測、電解質膜の耐圧破壊試験を実施した。 ヒドラジンと四酸化二窒素をそれぞれ個別に燃料電池(電解質膜圧25μm)に約200時間充填した後においても電解質膜の破損などは確認されず、耐性を有していることが確認できた。燃料・酸化剤共に電解質膜の透過が確認されたため、実使用時においては厚膜の使用や発電量を調整するなどして透過量を低減させる必要があるものと考えられる。また、電解質膜の耐圧破壊試験の結果、200μmのガス拡散層を用いた場合において1MPa以上の耐圧を有するには200μm程度の電解質膜を用いる必要があることが分かった。今後、蒸気圧の高い低凝固点の燃料・酸化剤を用いた実験を進めるにあたって、透過や耐圧の観点から厚い電解質膜を用いる必要があると考えられる。
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