研究課題/領域番号 |
19360391
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111474)
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研究分担者 |
秋元 博路 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20283971)
田中 謙司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40431788)
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キーワード | 次世代交通システム / 交通需要マネジメント / 政策研究 / 経営学 / 船舶工学 |
研究概要 |
日本では、製造業が生産拠点の海外移転を推し進める一方、国内消費に今後も大幅な上昇は期待できない。このため、急成長を続ける中国、韓国の巨大ハブ港に比べると、分散配置されている日本港の個々の貨物量は小さく、国際コンテナ輸送の基幹サービスにとって寄港する魅力が減っている。アジアから大消費地である欧米への基幹航路で日本寄港が減れば、日本発便の頻度減少と国外ハブでのトランシップ率増加により、日本国内から欧米への輸送リードタイムは増加する。これは遠方市場での在庫と機会損失リスクを増加させ、国際ハブ港をフル活用できる中国、韓国の輸出製品に対して日本からの輸出品の大きなハンデとなる。この問題に対処し、アジアと欧米を結ぶコンテナ輸送ネットワークの定量的評価と改良を可能とするため、個々のコンテナの振る舞いを計算機上に再現するマルチエージェントシミュレーションの開発を継続して行った。前年度の鉄鉱石輸送船団のシミュレーション、日中間コンテナ輸送のシミュレーションを発展させ、日米間のコンテナ輸送における国内寄港地の集約について、荷主と船会社の総輸送コストを最小化する寄港地の組み合わせを探索した。また輸送船舶の性能評価については、既存の流体数値シミュレーションの自由表面処理を改良し、実海域を想定した波浪中運動の評価における数値的な不安定性を除去した。これは性能評価の頑健性を高めるとともに解析時間の短縮につながるものとして、現在成果をまとめている。
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