研究課題/領域番号 |
19360392
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
賞雅 寛而 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (20134851)
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研究分担者 |
石丸 隆 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90114371)
元田 慎一 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (10190969)
波津久 達也 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (60334554)
古谷 正裕 (財)電力中央研究所, 原子力技術研究所, 主任研究員 (80371342)
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キーワード | 海洋工学 / 海洋保全 / 船舶・海洋構造物 / 防食技術 / 材料加工・処理 / 放射線,X線,粒子線 / 放射能 / 放射線誘起表面活性 |
研究概要 |
平成19年度は、チタニア溶射被膜以外の酸化被膜を有する試験片における放射線誘起表面活性(RISA)によるすきま腐食抑制効果を調べた。すきま腐食実験溶液中の酸素および鉄イオン濃度の計測を行い、RISAによるすきま腐食抑制効果のメカニズムの確認を行った。また、この技術の船舶・海洋構造物への実用化の可能性を検討するために実海水中におけるRISAによる腐食抑制効果の確認を行った。以下に結果をまとめる。 1.アルミナ溶射被膜、アークプラズマ表面酸化処理SUS304試験片は、アノード溶解電流密度がチタニア溶射に比べると高いが無被膜SUS304鋼試験片に比べると低く、RISAによるすきま腐食抑制効果が確認された。 2.電気化学測定中の電解質溶液の溶存酸素の測定、および溶存鉄イオンの計測を行い、RISAによるすきま腐食抑制効果は放射線の照射により生じた正孔により表面電位を維持し防食効果を生じるというメカニズムが妥当であることを、実験的に確認した。 3.実海水中においても不動態被膜の破壊と再生を繰り返しながら電位を維持していることから、海洋環境下においてもRISAによるすきま腐食抑制効果を十分に得られることを確認した。 以上、RISAによる耐食材のすきま腐食抑制技術は、船舶・海洋構造物への実用化の可能性が高いことを示した。
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