世界的なエネルギー需要の拡大、原油価格の高騰および自由化の進展、京都議定書への対応など、エネルギー資源を取り巻く環境が大きく変化しているなか、産地が世界中に広く分布し、利用技術の向上が著しい天然ガスは、近年その需要が増大している。LNGの輸送効率を改善するため新たに開発中のLNG船は従来の一般的なLNG船の輸送能力13万~15万立方メートルから一気に25万立方メートルまでタンク容量を増大するという極端な大型化が急速に進行している。このような急激な大型化によって、船体構造上の問題、特にタンク内液体運動(スロッシング)により発生する衝撃荷重と構造系の応答の問題、タンク内液体と船体運動の連成の問題、損傷時にタンクから流出するLNGの問題等重要な研究課題が表面化してきた。本研究においては、これまでに研究代表者らが開発したスロッシングの数値計算法をさらに発展させ、タンク構造系の応答解析、タンク構造が損傷した場合のリスク評価等も含めた総合的な安全性評価法を研究する。
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