研究課題
本研究では帆走式洋上風力発電施設の基本計画の中でもコンセプトの根幹に関わる次の2つの機能用件に焦点を当てて研究を行う。(i)係留無しで自己位置を維持できる機能(ii)台風や巨大低気圧に伴う荒れた気象・海象下でも安全を確保できる機能この2つの機能要件を達成しつつ、且つEPR値を最大限向上させるために、本年度は以下の3項目について研究を実施した。1.全体模型の抵抗試験・斜航試験大阪大学工学部所有の船舶海洋工学水槽と東京大学生産技術研究所所有の海洋工学水槽の主要目と曳引車のスペックから全体模型の主要目を決定し、試験模型の設計及び製作を行った。さらに、この模型を用いて、大阪大学所有の船舶海洋工学水槽において抵抗試験・斜航試験を行った。この実験で主要なのはストラット間の干渉効果とストラットとロワーハル間の干渉影響がどの程度現れるのかを把握することである。これらが、移動速度と斜航角でどのように変化するのかをシステマチックに調査するため、干渉効果がないと考えて得られる推定値との比較も同時に行った。2.風波共存時模型試験計画立案風波共存時の模型試験を自航状態で行うため、実機スケールと模型スケール間での摩擦抵抗増加分および風車に働く風抗力の付加を実現する試験法を検討した。また、風車に働く風抗力と帆に働く揚・抗力を滑車と錘で模擬した航行試験を行い、所定の斜航角で直進することを確かめた。3.航行ロジック・発電量検討衛星データや気象予想データを用いて、最適航路を見つけるためのロジック構築を目指した。その結果、年間設備利用率がコンスタントに40%以上となるロジック構築に成功した。また、そのロジックによる運行シミュレーションで得られる出会い海・気象の統計データを用いて疲労被害度の検討も行った。
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Proceedings of OCEANS'07 IEEE Aberdeen
Proceedings of OCEANS'07 MTS/IEEE Vancouver