研究課題
今年度は19年度に得られた最適形状ストラットの揚力・抗力のデータと20年度に実施した全体模型の抵抗試験・斜航試験で得られたストラット間干渉効果及びストラットとロワーハルの干渉影響を用いて、操縦性シミュレーションに必要な操縦性微係数を推定した。また、揚力線理論に基づく干渉影響の推定法を開発し、それを用いて操縦性微係数を精度よく推定することが可能になった。これらの値を用いて、一般的な操縦性方程式であるMMGモデルに従って操縦性シミュレーションを実施し、帆走性能を表すポーラ曲線を得た。このポーラ曲線を用いて航行シミュレーションを実施し、昨年提案したロジックにより、40%以上の設備利用率が簡単に得られることを確認した。次に、20年度に提案した数種類のプラントについて、pFFT-FE流力弾性応答解析コードによる波浪中の流力弾性応答解析を実施し、構造要素のうち弱点と考えられるストラット部分に荷重の掛からない全体構想を明らかにした。これに基づき新しいMono-hull Typeのコンセプトを提案した。この浮体形式に対して、前述の操縦性微係数推定法を適用し新しいポーラ曲線を得、これに基づく航行シミュレーションを実施した。その結果、この浮体形式でも十分な位置保持性能があることと、40%以上の高い設備利用率を簡単に得られることが確認できた。また、疲労強度についても検討し、20年置きの入渠により、浮体構造の健全性を維持できることを確かめた。また、発電単価も従来型より一割程度良くなることも分かった。これらの成果により、帆走式洋上風力発電装置の基本計画技術を確立することができた。
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日本船舶海洋工学会論文集 10号(印刷中(掲載確定))
J.of Marine Science, Technology Vol.15, No.1(印刷中(掲載確定))
Proc.of OCEANS'09 MTS/IEEE, Biloxi
第21回海洋工学シンポジウム論文集、日本海洋工学会・日本船舶海洋工学会
Proc.of 28th International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering, OMAE2009, Honolulu