研究課題/領域番号 |
19360398
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
奥野 武俊 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60081395)
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研究分担者 |
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10198947)
大塚 耕司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90213769)
有馬 正和 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (70264801)
山田 智貴 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90240027)
中谷 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (30326277)
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キーワード | 海洋環境 / モニタリング / 計測機器 / 栄養塩 / 環境シミュレーション |
研究概要 |
日本の沿岸域にある閉鎖的な海域では環境悪化が進み、その状況を詳細に把握し管理・保全・修復することが重要な課題となっている.これまで、環境を把握するためのモニタリング技術の開発は行われているものの、計測データのみで状況を把握するには十分なレベルではなく、さらなる計測項目の拡充や計測の時空間解像度を上げる努力が必要である.また、計測データを有効に活用するために、計測システムとの統合化を前提とした数値シミュレーション手法を確立し、効率的な環境状態の把握や影響評価を行うべきである.本研究では、新しい環境モニタリングシステムとして、いわゆる"海洋のアメダス"を開発し、それを環境管理に利用することを最終目標に目指し、新しい計測システムの開発と計測データとの同化を前提とした環境シミュレーション手法の確立、さらにその二つの統合化システムの構築を3本柱として研究を進めている. 今年度においては、計測システムの開発に重点を置き、これまでの手法より簡便で低コストとなる溶存無機窒素態の連続計測システムの開発や、海水の分光スペクトルに着目して化学反応を使用しない海水中の物質濃度の計測方法の研究を行った.その結果、溶存無機窒素態をまとめてDINとして連続計測する手法を確立し、提案する手法が有効であることを示した.また、分光スペクトルを主成分分析し、その固有ベクトル空間上で求めたい濃度の回帰式を作成する方法が、海中物質の計測法として使用できる可能性があることがわかった.一方、シミュレーション手法に関しては、積極的に計測データをシミュレーションに用いる方法の一つとして、観測される潮位データを使って、計算領域境界から入射する潮汐波を推定する方法の検討を行い、複数の湾口を持つような計算流域における正確な境界条件の決定に有効であることを明らかにした.
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