研究課題/領域番号 |
19360400
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
柴田 清 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (20281991)
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研究分担者 |
渡辺 一哉 海洋バイオテクノロイジー研究所, 微生物応用領域, 領域長 (40393467)
笠井 由紀 海洋バイオテクノロイジー研究所, 微生物応用領域, 研究員 (20416572)
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キーワード | 海洋環境 / 油汚染 / バイオレメディエーション / 海洋生態 / 海洋保全 / 応用微生物 / 深海環境 / 環境技術 |
研究概要 |
平成16,17年度において実施した先行研究においては、深海に沈んだ船舶中に残存する油類の微生物分解の可能性を調査するために、20MPaで、表層海水と炭化水素類を10日から75日間緩やかに攪拌し、分解の進行度合いを調査した.その結果、10日間で67%あるいは41日間で73%分解された場合もあったが、ほとんど分解が認めらない場合も観察された.また、これら実験前後の海水中微生物相をDGGE-PCR法により解析した結果、圧力、油添加の有無により発達する微生物相に大きな変化が生じることは観察されたが、油分解機能を有する微生物を特定することはできなかった。そのため、本年度はまず実験装置の再稼働に向けた整備と併行して、油分解率の測定の精度向上策について検討した。その結果、内部標準法における被分解物質抽出法およびGC分析条件の最適化によって、分解率測定値のバラツキが軽減できる見通しを得た。 また、従来の実験による結果不確定さは、主に実験に供した天然海水中に存在する微生物が実験の都度にことなり、実験条件の同一性が確保できなかったことによると考えられる.そこで、表層環境で油分解機能を有する微生物の単離株を用いて、それらの中から深海環境下でも油分解機能を発揮するものを抽出し、それらによる様々な油構成成分の分解速度に対する温度、酸素濃度、栄養塩種および濃度の効果を定量的系統酌に調査する方針をたて、海洋性油分解菌として単離されている菌を入手し、それらを安定的に培養する条件を検討している。さらに、高圧下での分解の進行や微生物相や存在数の変化を詳細に観察できるように、実験期間途中で海水相の一部を圧力変動なしに採取するための装置改造に着手した。
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