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2007 年度 実績報告書

中規模スケール実験に基づく船体氷荷重の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19360401
研究機関独立行政法人海上技術安全研究所

研究代表者

泉山 耕  独立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, グループ長 (40358403)

キーワード海上安全 / 極地 / 船舶工学 / 船体氷荷重
研究概要

結氷海域を航行する船舶の安全性の確保に資するために、最も重要な因子である、船体が周囲の氷から受ける力、船体氷荷重について研究した。この問題に対する研究は従来は、船舶が氷中を航行するときの船体歪を計測する実船実験により行われてきたが、近年、海上技術安全研究所では、圧力センサーを張り付けた模型船を水槽内に製氷した氷の中で航行させて氷荷重を直接計測する模型実験(縮尺1/30程度)による手法も開発した。本研究の対象である中規模スケール実験とは、これらの中間的な縮尺(1/5〜1/10程度)の船体模型を用いて水槽実験を行い、この時の船体歪と氷荷重の両者を計測することにより、実船実験と模型実験の両者間のリンクを与え、船体氷荷重に対する理解を深めようとするものである。
本年度の研究では、船首部を模擬した模型を設計・製作し、これを実験に供した。実験では、厚さ50mmから150mmの氷板中にこの模型を一定速度で走行させた。実験結果より得られた歪はスパイク状のピークが断続的に表れるものとなった。このような歪特性は、実船実験により得られたものと極めて似ている。一方、圧力センサーによる計測結果より、氷荷重は狭い領域に集中した荷重が、間隔を置きながら船体外板上を船首から船尾方向に移動する特性があることを示した。これより、歪の挙動は、このような氷荷重が歪計測部の外部を通過する度にスパイク状のピークが発生していると説明できる。さらには、実船実験と中規模スケール実験における歪の挙動の類似性は、実海域における氷荷重も、中規模スケール実験と同様に狭い領域に集中した荷重が断続的に移動するという特性を持つ可能性を意味する。従来、船体氷荷重のモデルとしては、水平方向に延びた連続荷重モデルとして取り扱われることが一般的であったが、今回の研究結果はこのモデルの再考の必要性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Medium-scale Test of Ice Loading on Ship Hulls-Test Outline and Preliminary Results-2008

    • 著者名/発表者名
      Shimoda, H., Kanada, S., Wako, D., Takimoto, T. and Izumiyama, K.
    • 雑誌名

      Proc. of the 23rd Internatlonal Symposium on Ok hotsk Sea&Sea Ice

      ページ: 99-103

  • [雑誌論文] 中規模スケール実験による船体氷荷重の計測について2008

    • 著者名/発表者名
      瀧本 忠教、金田 成雄、下田 春人、若生 大輔、泉山 耕
    • 雑誌名

      平成20年日本船舶海洋工学会春季講演会講演集 出版確定(巻号未定)(投稿中)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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