1、本研究は、潮流発電特有の要求を満足する複合材料製タービンブレードの実現を目標に、以下の3項目の研究を行うことを目的としている。(1)、高せん断強度を持つ複合材料・構造の研究(2)、複合材料ブレードのスマートストラクチャー化の研究(3)、複合材料ブレードの成形技術の研究 2、研究二年目である平成20年度は、初年度に研究した複合材料を実際のタービンブレードの形状に適用するために、1/40のブレードスケールモデルを試作した。具体的には、複雑なブレード形状にて複合材料の要求物性が発現できるか?またその物性によるブレードが十分な強度成立性を確保しているか?はもっとも重要な課題である。そこで、(1)、詳細な3次元形状をしたスケールモデルを設計し、(2)、3次元モデル形状をもとに、3次元流体解析によりブレードに働く流体力をもとめ、(3)、平成19年度に研究した複合材料にて、構造解析により詳細なブレードの変形・強度の検討を行った。(4)、また、3次元スケールモデルデータから試作ブレード成形用の型ジグを製作し、積層構造の異なる2種類のブレードを試作した。(5)、この試作ブレードの成形には、従来から航空機構造に利用されているプリプレグ成形法に加え、低コスト・一体ソリッド構造の成形を目差して、樹脂注入成形技術による成形も行った。 以上の研究により、21年度の研究目標である、実大潮流発電用ブレードの詳細設計、スマーストラクチャー化研究の指針を得る事が出来た。
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