研究分担者 |
石井 武政 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, グループ長 (00356429)
内田 洋平 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (90356577)
永井 二郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251981)
糸井 龍一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50108768)
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研究概要 |
本研究にてモニタリングおよびデータ解析を行なう福井市内幸橋の季節間蓄熱を用いた融雪システムは平成20年2月に完成し,運転を開始した。これに伴い,地下水位・地中温度分布・杭出入口水温・流量計測を開始し,今後は連続計測を行う予定である。同じく福井市内の管設備業組合駐車場と新清永橋での季節間蓄熱を用いた融雪システムについては,数値シミュレーションと過去に得られた計測データ(杭内水温や路面温度)のヒストリーマッチングを行い,その結果地下水流動が蓄熱システムの挙動に与える影響は小さいことがわかった。 上記研究項目と並行して,福井平野における広域的地下水流動系を解明するため,福井平野および周辺山地における地下水フィールド調査を計4回行なった。フィールド測定では,消雪用深井戸、地盤沈下観測井,一般家庭用浅井戸、湧水、河川を対象として地下水位を測定し地下水面図を得た。深井戸では2m間隔で地下水温度測定を行って鉛直温度プロファイルを得た。水質分析に関しては、現地にてpH、電気伝導度を測定し,実験室にて陽イオン・陰イオン濃度を分析した。酸素水素安定同位体比の分析は外注で行った。これらの分析結果より,福井平野における浅部地盤の温度勾配および地下温度は平野中心部に向かうに従い増加することが示され,地下水は平野周辺部から中心部に向かって流動していると推定された。また,一般水質分析より得られたトリリニアダイアグラムおよび同位体分析結果より,福井平野の地下水は比較的滞留時間が短く,平野部にも涵養域があることが示された。 現在は3次元地下水流動・熱移流シミュレーションソフトFEFLOWを使用して福井平野全域を対象とした広域的な3次元地下水流動・熱移流シミュレーションモデルを作成中であり,このモデルより得られた地下水流速と流向に基づいて,幸橋の蓄熱システムの数値モデルを構築する予定である。
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