研究課題/領域番号 |
19360410
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
白鳥 寿一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (20396469)
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研究分担者 |
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
土屋 範芳 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (40207410)
井上 千弘 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (30271878)
高橋 英志 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 講師 (90312652)
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キーワード | 廃電気電子機器 / レアメタル / 濃縮 / 人工鉱床 |
研究概要 |
レアメタル類は、多くのハイテク機器に使用され、我が国の産業の国際的な優位性の一端を担っているものであるが、市場に出た機器(EOL)からの回収は、使用量が少量であることや、本質的に我が国が精製工程を持たないことが理由である。現在、廃棄されている小型電気機器の金属リサイクルを行っていくことを考える際に、使用量の少ないレアメタル類を濃縮・保持し、工業的に回収が可能な量までにするための方法、「人工鉱床」を考慮する一つである。このためには、EOLからの抽出物からレアメタルを濃縮保持する事が重要である。本研究においては、対象となりうる金属種の検討と、それらの粘土鉱物に対する吸着について検討した。 回収を目指す対象のEOLは一旦市場に出た後に廃棄されるため、その実態と、過去の機器におけるレアメタル使用の状況を把握することは重要であり、その調査を海外フローと、EOLのインベントリー調査を実施した。次に電子機器などから抽出しうるレアメタルの混合含有液からレアメタルを濃縮する素材として粘土鉱物を考え、その吸着能力などについて試験を実施した。EOLからレアメタル類を一括して抽出すること自体は、比較的容易であったが、EOLは日本で廃棄される他に多くが海外に流出することから、調査は回収対象の的を絞る目的で実施し、銅・鉄スクラップ等に混入し流出する小型の家電品の部品類や電子基板が意図的ではないが、相当量あることが明らかになった。また、それらのレアメタルのEOLへの使用のされ方については、機器により違いがあり、携帯電話やHDメーカーや製造年度によって大きく変化している事実が明らかになった。吸着素材とする粘土鉱物などのレアメタル吸着能力については、高濃度ベースメタルで特性を把握しつつ、電子部品などから抽出したレアメタルの混合含有液から試験を実施した。レアアース類については充分な吸着結果が得られた。
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