研究課題/領域番号 |
19360416
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宗像 健三 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (70264067)
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研究分担者 |
宇田 達彦 核融合科学研究所, 安全管理センター, 教授 (50280590)
田中 将裕 核融合科学研究所, 安全管理センター, 助教 (00435520)
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キーワード | 核融合炉 / トリチウム / 安全閉じこめ / ハニカム / 触媒 / 吸着材 / 回収システム / シミュレーション |
研究概要 |
核融合エネルギーの実現に向けて、トリチウムの安全工学技術の発展が今後ますます重要になっている。トリチウムを取り扱う施設では、多重の閉じ込めと除去・回収系の組み合わせにより、被爆や環境への排出を極力抑える方法がとられる。3次閉じこめ系(作業空間)の外壁は、環境へのトリチウム放出に対する最後のバリアであるため、ここに設置されるトリチウム回収システムは迅速かつ確実に、事故時に漏洩したトリチウムを回収するべく構成される必要がある。気体からのトリチウムの除去・回収は、トリチウムを含む水素ガス、メタンなどの炭化水素を酸化してトリチウム水とし、吸着材に吸着捕集する方法が最も信頼性があると考えられている。トリチウムの環境への漏洩を極力抑えるためには、漏洩事故発生後、回収システムによる大風量・高除染処理を迅速に開始し、その処理を部屋のトリチウム濃度が許容濃度以下に減衰するまで維持する必要がある。さらに、回収システムに許容される建屋内の容積に制限があることから、システムの小型化・簡素化、触媒や吸着材の加熱や冷却の効率化、触媒や吸着材の性能劣化が小さい等の面も重要になる。しかし、従来型の粒子状の触媒や吸着材を充填した塔からなる回収システムでは、圧力損失が大きいことから、ガスを流通させるために大きなポンプ能力が要求され、これがシステムの大型化につながる。本研究は、先進的なハニカム型の触媒や吸着材を用いることにより、より小型で信頼性の高いトリチウム回収システムを開発することを目的とする。本年度は、有望なハニカム型の触媒、吸着材における水素同位体の酸化挙動、水分吸着挙動を調べた。特に、触媒の酸化性能に与える水蒸気の影響の定量化、ならびに吸着材における水蒸気の吸着挙動の詳細な検討(吸着平衡関係の定量化、吸着速度の解析)を行い。数値計算コードのプロトタイプを作成した。
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