研究課題/領域番号 |
19360433
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 伊佐務 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20005987)
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研究分担者 |
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40281985)
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20281983)
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キーワード | エネルギー効率 / レドックスフロー電池 / ウランIII価 / ウランV価 / 配位子場 / 磁性 |
研究概要 |
自然エネルギーである風力発電は事実上枯渇がないことから注目されるが、これ以上の風力発電の導入には出力の平滑化が課題であり、レドックスフロー電池はこの方策を担う電力貯蔵用電池の1つである。この電池は常温で作動し、構造が単純で長寿命、電池反応はイオン間の反応であるため充放電に伴う固相の析出はない等の優れた特徴を有している。我が国でも、バナジウム・レドックスフロー電池が1996年より実用化されているが、この電池のエネルギー効率は良好とは言い難い。一方、ウランは2組の等構造イオン対を有しており、この速い2組の酸化還元対を電池の両極反応として利用すれば、エネルギー効率の優れた電池が期待できる。 エネルギー効率の高い電池を創るためには、ウランV価とIII価の錯体に着目しながら、V価/VI価、III価/IV価の対で等構造の安定なウェルナー型錯体を利用する必要があり、陰イオン性のジアミド配位子を二量化したテトラアミド配位子が最も成功に近い位置にあると期待できる。 本年度は、ウランV価の安定性の検討のため、ウランV価の磁性について配位子場効果に基づく議論を行い、種々の配位子の錯体について統一的な検討を進めた。ウランIII価について従来簡単に入手可能な出発物質が無かったことから電解による簡便な出発物質の調製法を開発し、実際このIII価は安定であり、安定な活物質のIII価錯体の調製に有用であることを示した。以上により、安定なウランV価、III価の活物質の開発に見通しを付けた。
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