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2007 年度 実績報告書

エゾヤチネズミ個体群の遺伝的な空間構造に関わる個体数変動の効果

研究課題

研究課題/領域番号 19370006
研究機関北海道大学

研究代表者

齊藤 隆  北海道大学, 北方生物圏フィール科学センター, 教授 (00183814)

研究分担者 前川 光司  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (80002301)
石橋 靖幸  独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (80353580)
キーワードエゾヤチネズミ / 個体数変動 / 遺伝的空間構造 / 地理的変異 / DNA
研究概要

これまでの研究で,エゾヤチネズミ個体群の変動様式には明瞭な地理的勾配が見られるが,遺伝的空間構造は地理的な距離や地形を反映しないことが明らかになっている.本研究の目的は,個体数が激減し,低密度になることによって起こるボトルネック効果の程度が地域的に異なるため,遺伝的浮動にも地域差が生じて複雑な遺伝的空間構造がもたらされるという仮説を検証することである.本年度は(1)分布を拡大してから比較的歴史の浅い個体群では,遺伝的な分化に関して突然変異の蓄積よりも遺伝的浮動のほうがより大きな効果を持つ,(2)孤立性が高くかつ頻繁にボトルネックを経験している個体群間の遺伝的距離は離れているが,高密度で安定している個体群は祖先的な遺伝的特徴を多く保持しているために互いに類似性が高くなる,ことを中心に調査,分析を進めた.
(1)に関する試料を得るためにウラジオストック周辺の原生林で標本の採取を行った.2007年はヤチネズミ類個体群の低密度年にあたり,採集は困難を極め,3個体を得るのみだった.しかし,多数の生息地を予備調査し,平成20年度の調査の候補地を決定することができた.また,現地のロシア科学アカデミーと標本の交換などで協力することになった.(2)に関しては主に低密度地域の標本の採取,分析に力点をおいた.その結果,道南地方を除いてほぼ北海道をカバーする個体群の標本を得ることができた.平成20年度,道南地方の6-8地点で採集調査を行えば,研究目的を達成することが可能な標本を揃えることができる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Taxonomic, genetic and ecological status of the Daikoku vole.2007

    • 著者名/発表者名
      Takashi Saitoh, Anna Pauline de Guia, Yoshie Kato and Koji Maekawa
    • 雑誌名

      Proceeding of International Symposium on The Origin and Evolution of Natural Diversity

      ページ: 145-150

  • [学会発表] Spatial genetic structure of the gray-sided vole in Hokkaido, Japan2007

    • 著者名/発表者名
      Takashi Saitoh, Anna Pauline de Guia, Yasuyuki Ishibashi
    • 学会等名
      Modern Achievements in Population, Evolutionary and Ecological Genetics
    • 発表場所
      Vostok Marine Biological Station (Nakhodka)
    • 年月日
      20070910-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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