研究課題
イネの膜電位依存性Ca^<2+>チャネル候補遺伝子OsTPC1のレトロトランスポゾンTos17の挿入による機能破壊株では、タンパク質性エリシターTvXによりイネ培養細胞に誘導される過敏感細胞死の誘導やMAPキナーゼの活性化が抑制された。Ostpc1機能破壊株を用いて、TvXエリシター応答性遺伝子のトランスクリプトーム解析を行い、感染防御応答における機能解析を進めた。Ostpc1機能破壊株では、TvXにより発現が誘導される遺伝子群の一部について、発現の顕著な抑制が観察された。OsTPC1依存的にTvXにより急激に発現誘導を受ける遺伝子として、Ca^<2+>制御型プロテインキナーゼOsCIPKを同定した。RNAi法による発現抑制株を作成し解析した結果、TvXにより誘導される細胞死や防御遺伝子の発現誘導の抑制が観察された。Ostpc1機能破壊株やOsCIPKの発現抑制株においてTvX誘導性の発現誘導が抑制されていた遺伝子の中には、ファイトアレキシンの生合成に関与する遺伝子群が含まれており、OsTPC1,OsCIPKが、生体防御応答の過程で誘導される過敏感細胞死や抗菌性物質の合成の制御に関与する可能性が示唆された。一方タバコのCa^<2+>チャネル候補遺伝子NtTPC1Bの過剰発現培養細胞では、植物病原菌由来の感染シグナル分子により誘導される過敏感細胞死と、酸化ストレスに対する細胞の耐性が共に亢進されたことから、NtTPC1Bは、感染シグナル、酸化ストレスの双方に対する防御応答の制御に関与する可能性が示唆された。
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