研究課題
基盤研究(B)
アフリカ睡眠病やマラリア病は患者数が多いにも関わらず、有効な治療薬の開発が遅れている。本研究ではトリパノゾーマやマラリアの持つキーとなる酵素を感染防御のターゲットし、それらに対する特異的阻害剤を治療薬の開発を目指す。(1)マラリアには古くからキニーネが用いられ、クロロキンなど合成薬が開発されてきたがこれも耐性の出現で問題となっている。マラリアのメチオニンアミノペプチダーゼ遺伝子をノックアウトすると致命的となり、細胞分裂に関与するとされているので、この酵素を治療薬開発のターゲットとした。(2)トリパノソーマに感染すると、初期に発熱や筋肉の痙攣、知覚異常などの感覚障害を示し、中期に心病変、腎不全などの臓器障害、感染後期には徐々に意識レベルが低下し精神障害、または昏睡状態となって死に至る。このような放出されたオリゴペプチダーゼBが心房性Na利尿ペプチドといった調節ペプチドを分解してしまうことで、ホストの代謝ホメオスタシスに重篤な影響を与えてしまうと考えられている。そのためトリパノソーマ感染の治療薬としてこの酵素をターゲットとした。(3)基質特異性の広いアミノペプチダーゼN:病原微生物は高いアミノペプチダーゼN活性を持ち、ペプチド代謝によりアミノ酸へ分解し栄養摂取を行っている。アミノペプチダーゼNを強力に酵素阻害することにより兵糧攻めにすることによる治療薬の可能性が考えられた。そのため、アミノペプチダーゼNを共通のターゲットとした。
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