研究課題
平成19年度は、ヒト免疫不全ウイルス由来のプロテアーゼ(HIV-PR)について、結晶格子内の接触部位にアミノ酸置換を導入し、結晶成長をコントロールすることによって蛋白質結晶の大型化を試みた。まずHIV-PR結晶の成長方向と結晶内のパッキングを関連づけるため、結晶の外見から成長方向の遅い方向に向かってX線を照射し、一致する結晶格子軸を観測した。既に決定されたX線結晶構造から、結晶の成長方向に寄与する分子間接触部位のアミノ酸を同定した。さらに相互作用を疎水的相互作用に置き換え、得られた変異タンパク質を精製した、精製した変異タンパク質を結晶化し、その回折能と立体構造を決定したところ、変異体のいくつかは野生型タンパク質の結晶と同程度の回折分解能を示した。現在その置換効果をさらに検討中である。一方、取得したHIV-PRの大型単結晶の取得に成功したので、この結晶を用いて2.3A分解能の中性子回折データの収集にも成功した。平成19年度の研究成果は、研究発表欄に記載のとおり、査読付き論文2報を発表するとともに、4件の学会発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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http://hhdb.tokai-sc.jaea.go.jp