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2007 年度 実績報告書

病原体感染における脂質動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 19370058
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

前濱 朝彦  国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (40322755)

キーワードイノシトールリン脂質 / ウイルス
研究概要

ウイルスに代表される細胞侵入性の病原体感染は、(1)病原体の細胞内への侵入、(2)病原体の複製・増幅、(3)宿主細胞の破壊と病原体放出、の3つのステップによって成立する。本研究では、上記各ステップにおけるイノシトールリン脂質群(PIPs)の動態を解析し、最終的には「PIPs動態の人為的操作による病原体感染制御(感染防御・排除)の可能性を検討」することを目的としている。そこで本年度の研究ではHCVを題材として、その感染初期におけるPIPs動態の変化を解析したが、従来のPIPs解析法(TLC解析・蛍光プローブ解析)で検出可能な変化は見いだせなかった。なお、抗PIPs抗体を用いた解析法に関しては、その至適化が検討課題として残った。さらに感染初期においてはPI3Kシグナル系・mTORシグナル系の変化も共に見いだすことができなかったことから、これらのシグナル系がHCV感染の初期応答に関与している可能性は低いと考えられた。またPIPs動態解析のツールとしてテトラサイクリン誘導性の低発現ベクターによって蛍光プローブを発現する実験系を新たに開発し、より低い侵襲性のもとでの解析が可能となった。一方、感染中期から後期にかけて観察されるHCV由来タンパク質(NS3、NS5)の産生およびHCV粒子の放出がPTENおよび他のPIホスファターゼの発現阻害によって影響されることを見いだした。これは、HCV複製・放出過程へのPIPsの関与を初めて示した結果である。今後レプリコン細胞等を用いてHCV複製時のPIPs動態変化を解析する実験系の確立が新たな検討課題となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] S1P2 receptors mediate inhibition of glioma cell migration through Rho signaling pathways independent of PTEN2008

    • 著者名/発表者名
      Malchinkhuu, E.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 366

      ページ: 963-968

    • 査読あり
  • [雑誌論文] あらたな癌抑制遺伝子PICT-1/GLTSCR22008

    • 著者名/発表者名
      前濱 朝彦
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 224

      ページ: 172-173

  • [雑誌論文] PTEN:its deregulation and tumorigenesis2007

    • 著者名/発表者名
      Maehama, T.
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull. 30

      ページ: 1624-1627

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.nih.go.jp/niid/reports/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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