研究課題/領域番号 |
19370061
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小野 高明 茨城大学, 工学部, 教授 (10175268)
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研究分担者 |
三野 広幸 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (70300902)
水澤 直樹 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (80342856)
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キーワード | 光合成 / 光化学系II / Mnクラスター / 酸素発生系 / FTIR / ESR / 水分解反応 / 生物物理学 |
研究概要 |
1.H21年度に作成した、光合成酸素発生系Mnクラスターの配位子となっているD1タンパク質のC末端アラニンを他のアミノ酸に変えた変異につき、引き続きPSIIコアの中波数領域FTIRスペクトルの測定を行うとともに、電子構造を反映する低温ESR測定を行い、変異がMnクラスターに与える影響を詳細に評価した。 2.H21年度に行った酸素の安定同位体(O^<17>)水(H_2O^<17>)置換がS_2状態のマルチラインに与える影響に引き続き、(O^<17>,O^<18>)水(H_2O^<17>とH_2O^<18>)置換した試料(好熱シアノバクテリアの光化学系II複合体)を用い、基質である水(酸素)とMnの相互作用を直接検出するために、低波数領域のFTIR測定を行った。各反応中間S状態について各々の差スペクトルを測定した。スペクトルを積算することにより評価可能なスペクトルを初めて得る事ができた。通常の水(H_2O^<16>)で測定したスペクトルバンドの波数からの変化をO^<17>とO^<18>について評価することにより、Mnに配位した水分子に起因するFTIRバンドを抽出した。しかしながら、スペクトルの品位は必ずしも十分ではなかった。一連のスペクトル測定には数カ月必要であったが、スペクトルの積算回数をさらに増やし、より高品位のスペクトル測定を行う必要がある。 3.本年度は最終年度であるためもっぱら測定に専念した。
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