研究課題
基盤研究(B)
我々は、代表的な異常mRNAであるノンストップ(終止コドンを持たない)mRNAにおける翻訳抑制と異常タンパク質分解機構について解析を行い、ポリ(A)鎖の翻訳自体が、多段階での発現抑制機構を作動させ、品質管理機構において必須な役割を果たすことを初めて明確に示した。翻訳アレストを引き起こすアミノ酸配列の特異性について解析を行った結果、塩基性新生ポリペプチド鎖の持つ正の電荷とリボソームトンネルを形成するリボソーマルRNAの負の電荷の間の静電的相互作用による翻訳抑制機構が示唆された。さらに、連続した塩基性アミノ酸配列に依存する翻訳アレストは、1)合成途中のポリペプチド鎖のプロテアソームによる迅速な分解と、2)mRNAの分子内切断を引き起こすことも明らかにしている。
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