研究課題/領域番号 |
19370077
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 勉 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70264059)
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研究分担者 |
植田 正 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90184928)
阿部 義人 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60315091)
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キーワード | DNA複製 / DnaA / 細胞周期 / タンパク質複合体 / タンパク質機能構造解析 / ATP / ヘリカーゼ / DNA動態変化 |
研究概要 |
本研究計画では、DnaAによる複製開始複合体の高次構造を解析し、DNA開裂のためキーとなる複製開始複合体の機能構造を同定すること、および、DNA開裂のメカニズムを開始複合体の機能構造と連関させて解明すること、さらに、DNA開裂後におこる、DnaC依存DnaBヘリカーゼ装着機構を解析することなどを目的とした。初年度である本年度では、複製開始複合体の機能構造を同定するため、複製開始複合体形成とDnaBヘリカーゼ装着に関わるDnaA N末ドメインの機能構造解明を行った。まず、NMR解析により、このドメインの立体構造決定に成功した。加えて、変異体の解析により、DnaBヘリカーゼ装着に必要な機能構造を同定した。これに基づき、DnaBヘリカーゼ装着に必要な複製開始複合体の4次構造とメカニズムをモデル化した。この成果はJournal of Biological Chemistry誌で高く評価され上位1%の論文に授与される"Paper of the Week"に選定された。第2には、複製開始複合体の独自のモデルに基づき、1本鎖DNAとの相互作用に関わると推測されるDnaAの部分領域を推定した。この領域に多数の変異を独立に導入し分子遺伝学的かつ生化学的に解析したところ、実際、複製開始反応と2本鎖DNA開裂反応に特異的に必要とされるアミノ酸残基の同定した。これに基づき解析を進め、DNA開裂のためキーとなる複製開始複合体の機能構造の同定に成功した。さらに開始反応の制御メカニズムの検討も行い、さらに新たなモデルを発表した。
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