研究課題
研究最終年度として以下の研究をまとめた。これまでに、細胞周期進行に必要なタンパク質のうち、TOR不活性化で分解が促進される、1.DNA損傷チェックポイント関連タンパク質、2.G1/S進行関連タンパク質、3.セプチン関連タンパク質、4.スピンドルチェックポイント関連タンパク質を同定し、その機構を解析した。解析としては、分解に関与するユビキチンリガーゼの同定、分解に関与するタンパク質内のシス配列の同定、分解促進に関わるシグナル伝達系の同定、の3つの解析を研究の柱とし解析を行った。1)分解に関与するユビキチンリガーゼの同定。細胞周期進行関連ユビキチンリガーゼE3、SCFとAPC/Cの変異体としてcdc16-1、cdc27-1を用いて、上記のタンパク質分解が抑制されるか検証した。その結果、これらの変異体で分解が抑制されるタンパク質を複数同定した。2)分解に関与するタンパク質内のシス配列の同定。分解されるタンパク質をN末端、もしくはC末端から分解が消失するまで削り込み、分解に必要なドメインを同定した。3)分解促進に関わるシグナル伝達系の同定。ユビキチン化されるタンパク質のユビキチン化はリン酸化等の翻訳後修飾によって制御される。TORが不活性化により分解が促進されるタンパク質においてもこの分解制御の可能性が考えられたため、TORの下流のキナーゼ、およびフォスファターゼ欠損株で分解が影響を受ける変異株を同定することでシグナル伝達系を同定する。さらにアラニン置換、S/D置換によって影響をうけるセリン/スレオニンを同定した。更に、MASで実際にリン酸化されているアミノ酸を同定する共同研究を開始する準備実験を行った。
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http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~sbtushi/