• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

ゴルジ体ストレス応答を制御する転写調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19370086
研究機関京都大学

研究代表者

吉田 秀郎  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60378528)

キーワードゴルジ体ストレス / 転写 / ストレス応答 / 糖鎖 / ゴルジ体 / 小胞輸送 / 小胞体ストレス / 細胞小器官
研究概要

ゴルジ体ストレス応答は、細胞の需要に応じてゴルジ体の機能を増減させる調節機構であり、種々の疾患との関連が想定されているが、詳しい分子機構が明らかになっている小胞体ストレス応答機構に対してゴルジ体ストレス応答の研究は全く研究が行われていない。前年度までの研究によって、ヒトのゴルジ体ストレス応答の標的遺伝子を明らかにし、これらの標的遺伝子のゴルジ体ストレス応答による転写誘導を制御するエンハンサー配列GASEを同定した。今年度は、(1)糖鎖修飾酵素やゴルジ体構造形成因子などゴルジ体ストレス応答の標的遺伝子の多くがGASEによって転写制御されていることを明らかにし、また(2)GASE配列を詳細に解析した結果、コンセンサス配列がACGTGGCであることを見いだした。更に、(3)GASEに結合する転写因子を出芽酵母を用いたone hybrid screeningによって検索したところ、bHLH-ZIPモチーフを有する転写因子BigMaxを単離した。BigMaxに転写活性化領域を人工的に付加して細胞中で過剰発現したところ、ゴルジ体ストレス応答の標的遺伝子の転写がGASE依存的に促進された。これらのことは、BigMaxがゴルジ体ストレス応答の制御に関わる転写因子であることを示唆している。今後は、ゴルジ体ストレスによってBigMaxの発現や活性が調節されているかどうか、またその制御の分子機構について解析していく予定である。ヒトのゴルジ体ストレス応答の解析と同時に、出芽酵母のゴルジ体ストレス応答機構についても解析を開始し、今年度はゴルジ体ストレスを起こす酵母変異体sec7を用いた標的遺伝子の検索を行った、その結果、ゴルジ体での糖鎖修飾酵素やゴルジ体以降の小胞輸送に関わる遺伝子の転写がゴルジ体ストレスによって誘導されることを見いだした。今後は、これらの標的遺伝子の転写誘導を指標として転写誘導が起こらなくなる変異体を単離することによって、酵母のゴルジ体ストレス応答を制御する因子(転写因子、センサー分子、情報伝達因子)を網羅的に検索し、ヒトのゴルジ体ストレス応答の研究に役立てる計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] pXBP1(U), a negative regulator of the unfolded protein response activator pXBP1(S), targets ATF6 but not ATF4 in proteasorae-mediated degradation.2009

    • 著者名/発表者名
      吉田秀郎
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function 34

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Human HRD1 promoter carries a functional unfolded protein response element to which XBP1 but not ATF6 directly binds.2008

    • 著者名/発表者名
      山本敬祐
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry 144

      ページ: 477-486

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ATF6 is a transcription factor specializing in the regulation of quality control proteins in the endoplasmic reticulum.2008

    • 著者名/発表者名
      安達雄亮
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function 33

      ページ: 75-89

    • 査読あり
  • [学会発表] PROMOTER ANALYSIS OF TARGET GENES OF GOLGI STRESS RESPONSE2008

    • 著者名/発表者名
      奥雅弥
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor meeting
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor Laboratory, NY, USA
    • 年月日
      2008-05-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.eonet.ne.jp/~biophysics-kyoto/index.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi