研究課題
強いFgf8シグナルによりRas-ERK経路が活性化されると小脳が分化するが、正常発生、中脳胞での異所的小脳分化の過程を観察するとERKは活性化されたしばらく後に脱リン酸化され、その活性は押さえれれているように見える。そこで、小脳の分化にはERKが活性化され、その後その活性が押さえられる必要があるという仮説のもとに実験を行った。E2のニワトリ胚中脳-後脳部にFgf8bとドミナントネガティブ型Sprouty2(DN-Sprouty2)のエレクトロポレーションを行うと、中脳部ではERKが持続してリン酸化される。マーカー遺伝子の発現、組織構築を観察すると、中脳胞は視蓋として分化していた。Fgf8bとDN-Sprouty2のエレクトロポレーション後17時間たったときにMek阻害剤のU0126ビーズを中脳部に挿入すると、中脳胞に後脳のマーカー遺伝子の発現が誘導された。このことから、小脳の分化にはFgf8bによりRas-ERKが活性化され、その後Ras-ERK経路の負の調節因子によりERKの活性を抑制する必要があることが示された。次年度にTet-offシステムを用いて、共発現後DNSprouty2の発現を抑えると実際に小脳が分化するかどうか確認する。Ras-ERK経路の負の調節因子は複数存在するが、小脳の分化にはSprouty2が最も重要な働きを示しているように見える。
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http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/outline/neuro/neuroscience/molecular_neurobiology.html