研究課題
1)Nemp1の領域Bと相互作用する蛋白質の解析酵母2ハイブリッド系および共免疫沈降法で、低分子GTP結合蛋白質のRanとNemp1の領域Bが結合することは既に見出していた。そこでRanの変異体を用いて結合特異性を解析した結果、Nemp1はRan-GDP型ではなくRan-GTP型とより強く結合することが示された。またRanの効果ドメインの変異体とは結合しなかった。これらの結果は、Nemp1は核内膜上で、核質に局在するRan-GTP型と効果ドメインを介して結合することを示唆している。さらにImportinとRanとの共免疫沈降をNemp1は阻害したことより、Nemp1はOtx2などの核内輸送に関わっている可能性が考えられる。2)Raxプロモーター・レポーター遺伝子を用いた解析Otx2で活性化されるRaxプロモーター.レポーター遺伝子を用いて、Nemp1の作用を検討した。その結果、Otx2によるレポーター遺伝子の活性化がNemp1により阻害されることが示された。この阻害作用は、領域Bを欠いたNemp1では見られないことより、領域Bを介したNemp1の作用によりOtx2の活性が特異的に阻害されたと考えられる。3)内在性Nemp1の核膜局在に関する検討など核膜孔との位置関係を検討するため、タグ付Nemp1と核膜孔蛋白質Nup153の2重免疫染色を行った結果、一部でのみ共局在が認められた。したがって多くのNemp1は核膜孔以外の領域に分布していると考えられる。Nemp1に対する抗体は現在精製中であるため、内在性Nemp1の解析は今後の課題である。
すべて 2009 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Dev.Biol.
巻: 327 ページ: 497-507
Development
巻: 136 ページ: 2413-2422
巻: 136 ページ: 2005-2014
巻: 330 ページ: 318-328
Proc.Natl.Acad.Sci.USA
巻: 106 ページ: 118309-18314
巻: 136 ページ: 4083-4088
http://www2.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/lmb/index.php