メダカ骨発生様式を調べるために、硬節に特異的な発現を示すTwistトランスジェニックメダカ、骨芽細胞特異的な発現を示すオステオカルシントランスジェニックメダカを作成し、細胞の行方をトレースした結果、硬節由来の骨芽前駆細胞は、当初脊索と相互作用することにより、脊索の石灰化を促し、さらに脊索周囲の石灰化を亢進するとともに、椎間板領域に収束し、脊椎骨が成長し続けるための骨芽前駆細胞を供給し続けることが明らかになった。 ゼブラフィッシュではメカニカルストレスに密着している組織である筋間中隔の形成と筋繊維の発達に機能しているペリオスチンは、マウスにおいてコラーゲンのクロスリンクを制御することにより、コラーゲン繊維構造形成に寄与することが明らかになった。さらに心筋梗塞モデルマウスでは、梗塞時の心筋再生を促すマトリックス形成に必要な繊維芽細胞の移動に、ペリオスチンはインテグリンを介して機能していることが明らかになった。従って、ペリオスチンを欠いたマウスでは心筋のコラーゲンを主とするマトリック形成が不十分となり、心筋の修復が起きないことから心臓破裂が頻繁になり死亡することが明らかになった。この発見は心筋梗塞時の心筋修復に関し、世界で初めて分子レベルで機能を解明したもので、高く評価されている。
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