研究課題/領域番号 |
19370100
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大石 高生 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40346036)
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研究分担者 |
林 基冶 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (10027500)
清水 慶子 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90135616)
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キーワード | 霊長類 / 発達加齢 / 脳 / 機能分子 / 性 / βアミロイド / ステロイド / MRI |
研究概要 |
1.老齢ニホンザルの扁桃体をβアミロイドタンパクに対する抗体(抗Ab1-42抗体)を用いて調べた結果、全てのサルに老人斑が観察された(Ichinohe N等Neuroscience, 2009)。7-9才の老齢ツパイの脳幹などにAb1-42の蓄積が観察された。 2. テストステロン負荷によりメス新生児に乳頭、外生殖器肥大が生じ、出生直後から母子間の距離が観察された。マカカ属新生児において、エストロゲン受容体α、β、アンドロゲン受容体含有細胞の脳内分布に性差が見られた。 3. 大型類人猿の尿中CG、E1C、PdG動態をモニターすることによって早期妊娠診断が可能となった。また、非妊娠周期では、尿中FSHおよびE1C、PdG動態により、排卵の有無や卵胞の成熟状態を推察することが可能であった。 4.GnRHニューロンの細胞体、近位樹状突起ともにアストロサイト線維の近接が春機発動後に減少していた。春機発動期にグリアによるバリアが減少することでGnRHニューロンへのシナプス入力が増加する可能性が示唆された。 5. 閉経前、閉経周辺期、閉経後および卵巣摘出個体の海馬と前頭前野においてエストロゲン受容体ERβおよびP450アロマターゼ(エストロゲン合成酵素)の発現を調べた。脳内ERβ発現は末梢よりも脳内局所のエストロゲンレベルによって制御されていることを示唆する結果が得られた。 6.脳内遺伝子発現プロファイルの加齢変化と、それが認知機能に及ぼす影響を明らかにするため、成熟期、老齢期のマカカ属の前頭前野や海馬における遺伝子発現を網羅的に調べる研究に着手した。年齢の他、性別等を考慮に入れて準備した試料からRNAを抽出した。 7. 発達期ニホンザル一頭分の電子的三次元脳アトラスを整備した。 (http://riodb.ibase.aist.go.jp/db029/riodb08/jm_jpn.html)
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