研究課題
老齢ツパイの梨状皮質、海馬台、基底核、乳頭体、視床下部にアミロイドβ42の蓄積、多数のアミロイド陽性の血管壁、少数のコンゴーレッド陽性構造が観察された。小型で飼育の容易なツパイは老人斑蓄積の分子メカニズム解明の有用なモデル動物となることが示唆された。ステロイドホルモン負荷の妊娠ザルから生まれた新生児に乳頭ならびに外生殖器肥大が認められた。また、ホルモン投与個体由来の新生児の母子間距離は、生後発達と共に拡大するという定型的なパターンとは異なっていた。さらに免疫組織化学法によるエストロゲン受容体α、β、アンドロゲン受容体含有細胞の脳内分布に性差が観察された。アカゲザル視床下部ではKisspeptinニューロンは主に弓状核に局在し、前腹側室周囲核および視索前野にはなかった。GnRHニューロンへのKisspeptin陽性軸索の近接はごく少なかった。またGnRH陽性軸索のKisspeptinニューロンへの近接も観察された。脳内遺伝子発現の加齢変化と、それが認知機能に及ぼす影響を明らかにするため、成熟、老齢マカクザルの前頭前野と海馬のマイクロアレイ解析をおこなった。GSEA解析の結果、老齢オスでは有意に変化した遺伝子群はなかった。一方老齢メスでは、海馬で恒常性維持に関わる遺伝子群の発現が上昇し、また海馬と前頭前野で神経活動に関わる遺伝子群の発現が減少した。脳内遺伝子発現の脳部位間での違いと発達過程を調べるため、大脳諸領野(連合野、感覚野、運動野)、小脳、基底核、海馬のマイクロアレイ解析を行った。小脳は大脳と際だった違いを示した。これまで開発してきた対話型断面画像三次元再構築システムを改良し、イメージングプラットフォームの人脳およびサル脳表示システムに適用した(http://nimg.neuroinf.jp/)。また、ショウジョウバエ変異体の遺伝子発現の三次元表示に適用した。
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