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2007 年度 実績報告書

湖沼のリン汚染を軽減する植物の育成

研究課題

研究課題/領域番号 19380003
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 薫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70183994)

研究分担者 三村 徹郎  神戸大学, 理学部, 教授 (20174120)
キーワードフィチン酸 / 飼料 / イノシトールーリン酸合成酵素 / 遺伝子組換え植物 / ファトレメディエーション / 環境浄化 / 分子育種 / アリューロン層
研究概要

世界の多くの湖沼では流域からのリンの流入による富栄養化が進行しており、リンの流入を減少させること、および汚染された湖沼からのリンの回収が望まれている。植物種子に大量に蓄積するリン貯蔵物質フィチンを根や葉などの栄養器官に蓄私させることができれば、リンの超集積植物として湖沼からのリン回収に役立つ環境浄化植物が実現できる。また、消化の悪いフィチンを減少させて無機リンの形で種子に貯蔵させれば、畜舎から排出されるリンを軽減する環境負荷低減植物が実現する。本研究では、フィチン酸合成経路を明らかにし、その情報をもとに遺伝子組換え技術を用いてフィチン酸合成を制御し、高フィチン含有植物および低フィチン米を作出することを目的とする。
1.フィチン酸合成経路の解明
イノシトール三リン酸5/6キナーゼの2遺伝子の発現抑制組換えイネおよび高発現組換えイネの解析から2遺伝子がフィチン酸合成に関与することを明らかにした。
2.プロモーターの開発
フィチン蓄積部位のうち、胚形成に影響がないアリューコン層でのフィチン酸合成抑制を目指すためアリューロン層特異的発現プロモーターを探索した。マイクロアレイ解析およびRT-PCR解析により、2候補遺伝子を特定した。また、オレオシンプロモーターを改変してアリューロン層特異的プロモーターを開発するため、胚での発現を誘導する可能性の高いcis配列を同定し、それを除去したプロモーターを作出した。
3.環境浄化植物作出に向けて
フィチン酸合成の最初と最後のステップで働く2遺伝子の高発現組換えイネを交配し、後代を得た。後代から導入遺伝子をホモに持つ優良系統を選抜した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Expression pattern of inositol phosphate-related enzymes in rice (Oryzasativa L.) : implications for the phytic acid biosynthetic pathway2007

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, M., Tanaka, K., Kuwano, M., Yoshida, K. T.
    • 雑誌名

      Gene 405

      ページ: 55-64

    • 査読あり
  • [学会発表] イノシトールリン酸関連酵素の過剰発現によるフィチン酸生合成の活性化2007

    • 著者名/発表者名
      宮本正薫, 桑野美緒, 吉田薫
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-23
  • [学会発表] 18kDaオレオシンプロモーターによるフィチン酸合成抑制種子系続の作出2007

    • 著者名/発表者名
      桑野美緒, 高岩文雄, 吉田薫
    • 学会等名
      日本植物細胞分生生物学会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2007-08-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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