• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

小麦粉品質改良に向けた異種由来種子貯蔵タンパク質の構造解析と育種利用

研究課題

研究課題/領域番号 19380006
研究機関鳥取大学

研究代表者

辻本 壽  鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)

研究分担者 田中 裕之  鳥取大学, 農学部, 助教 (70283976)
キーワードコムギ / 異種染色体添加系統 / 種子貯蔵タンパク質 / グルテニン / グリアジン / 製パン性 / 小麦粉 / 野生種
研究概要

遺伝資源バンクで維持・保存している177系統の異種染色体添加パンコムギ系統の胚乳より種子貯蔵タンパク質(グルテニン・グリアジン)を抽出し、電気泳動により異種染色体由来のタンパク質を探索した。その結果、24系統でコムギにはないタンパク質の発現を認めた。これらの種子を増殖・製粉し、SDS沈降試験により製パン性を調査したところ、パンコムギより製パン性の向上を示す複数の系統が現れた。その中で、野生種Aegilops searsii染色体添加系統について注目し、近畿中国四国農業研究センターの協力により、この系統の小麦粉の物性を詳細について調べた。その結果、パンコムギには見られない優秀な性質をもっていることが明らかとなった。次に、Ae.searsiiの高分子量グルテニン遺伝子の全長配列を決定した。その結果、Ae.searsiiの高分子量グルテニンxおよびyサブユニットの遺伝子は、パンコムギの1D染色体に座乗する遺伝子に類似することが明らかとなった。これらの遺伝子に対して、Glu-S^slxおよびGlu-S^slyと名付けた。ところで、スクリーニングの過程で、添加系統と表記される多くの系統において、実際には染色体あるいは染色体の一部分を失が失われていることが明らかとなった。蛍光in situハイブリダイゼーションによる染色体の調査によって、消失あるいは欠失している染色体はどの系統においてもコムギの1D染色体であることが明らかとなった。この染色体には、コムギの製パン性に重要な遺伝子が座乗するため、1D染色体の逸失現象は、異種遺伝資源を小麦粉品質改良に使う際に、致命的である。系統保存において、1D染色体逸失が行われないように注意するとともに、製パン性を低下させる効果がある1A染色体と異種染色体を置換し、安定した系統を作る必要のあることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Preferential elimination of chromosome 1D from homoeologous group-1 alien addition lines in hexaploid wheat.2007

    • 著者名/発表者名
      Monika Garg
    • 雑誌名

      Genes and Genetic Systems 82

      ページ: 403-408

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Garg, M., Dhaliwal H. S., Chhuneja, P., Kumar, D., Dou, Q.-W., Elamein, H. M. M, Tanaka, H. and Tsujimoto, H.: Negative effect of chromosome 1A on dough strength shown by modification of 1D addition in durum wheat(Triticum durum).2007

    • 著者名/発表者名
      Monika Garg
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Genetics 114

      ページ: 1141-1150

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi