• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ハクサイ根こぶ病抵抗性の分子遺伝学的解析と育種への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19380008
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

松元 哲  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜ゲノム研究チーム, 上席研究員 (00355629)

研究分担者 畠山 勝徳  野菜茶業研究所, 野菜ゲノム研究チーム, 主任研究員 (60355625)
平井 正志  京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50343405)
久保 中央  京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60347440)
キーワード根こぶ病 / 抵抗性遺伝子 / ハクサイ / DNAマーカー / 遺伝子単離
研究概要

マップベースクローニングによりハクサイ根こぶ病抵抗性遺伝子Crr1のゲノム領域を同定した。このcDNAをクローニングし、35Sプロモーターの下流に連結した形質転換用ベクターを作成し、シロイヌナズナに形質転換した。T_2世代からKm選抜培地で生育したシロイヌナズナ計19系統の抵抗性を調べた。接種検定では、供試したすべの元品種のコロンビアの根部は著しく肥大して地上部の生育が阻害された。19系統の形質転換体の中で、7系統29個体が抵抗性を示した。導入したcDNAは根こぶ病抵抗性を付加可能な遺伝子と判断した。
Crr2の座乗領域を特定するため、Crr2近傍の2つのマーカー間18kbで、抵抗性と罹病性のゲノムが組換えを生じた複数個体のF_3を調べたところ、いずれも抵抗性を示し、Crr2の座乗位置はこの2つのマーカー間であると推測された。座乗位置をさらに12.7kbまで絞り込み、当該領域のエクソンがCrr2を構成するものと考えられた。単離したCrr3候補遺伝子は病害抵抗性遺伝子に類似の配列を有していた。遺伝解析に使用した1系統(AN F2-446)は抵抗性遺伝子様配列の第2イントロン付近の領域を挟んで下流側が罹病性親系統ホモ型、上流側がヘテロ型だった。AN F2-446は抵抗性であるため、抵抗性遺伝子様配列の第2エクソンより上流が抵抗性に関与すると推測された。
根こぶ病はハクサイのみならずアブラナ科の野菜やナタネに甚大な被害を及ぼしている。3種類の抵抗性遺伝子 (Crr1、Crr2、Crr3) の単離とその構造解析を試み、Crr1については遺伝子導入により感受性のシロイヌナズナに抵抗性が付与されたことから抵抗性遺伝子であると断定した。またCrr1とCrr3はいずれも防御反応に関する遺伝子に共通の構造を有していたが、Crr2は若干異なる配列であった。これはCrr1とCrr3が抵抗性に直接的に作用する遺伝子であるのに対して、Crr2自身は抵抗性を発揮せず、Crr1の発現を促進する作用をもちそれぞれ機能が異なるためと考えられた。根こぶ病の抵抗性遺伝子が単離、同定された初めての例である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] マーカー選抜によるハクサイ根こぶ病抵抗性実用品種の育成2010

    • 著者名/発表者名
      松元哲
    • 学会等名
      日本育種学会春季大会 (117回講演会)
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] ハクサイF1品種「秋理想」の根こぶ病抵抗性に連鎖するDNAマーカーの作成2010

    • 著者名/発表者名
      加藤丈幸
    • 学会等名
      日本育種学会春季大会 (117回講演会)
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 根こぶ病強度抵抗性を有する'はくさい中間母本農9号'の育成とその特性2010

    • 著者名/発表者名
      松元哲
    • 学会等名
      園芸学会平成22年度春季大会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2010-03-22
  • [産業財産権] はくさい中間母本農9号2009

    • 発明者名
      松元哲, 他
    • 権利者名
      独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
    • 産業財産権番号
      品種登録出願番号23692
    • 出願年月日
      2009-04-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi